第3回「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」の集計結果について
「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」は公募した一般モニター198人により2009年9月27日、「大津プリンスホテル」にて実施しました。
110点に及ぶきき酒は銘柄ラベル等を公表しない、ブラインド方式で実施しました。
きき酒の評価は、お酒の評価の優劣ではなく、好みをお聞きしました。
具体的には、きき酒をし、「とても美味しい・美味しい・ふつう・あまり好みでない」から該当するコメントを選択していただきました。
モニターの皆さんにいただいた意見を集計し、全出品酒の中で総合平均点が一番のお酒が「知事賞」、各部門で平均点が上位20%であったお酒が「びわ湖賞」 です。
本リストの中では、☆=知事賞 ○=びわ湖賞の該当酒です。
知事賞
笑四季酒造「呵呵大笑 無ろ過 生原酒」
受賞酒一覧
部門ごとに上位にランクインした、評価の高い出品酒。
自信をもってお薦めできるお酒です。
【イ-普通酒の部】 | ||||||
賞 | 銘柄 | 会社名 | 種類 | 精米 歩合 |
alc | 希望 小売価格 |
○ | 喜楽長 特別本醸造 | 喜多酒造 | 特別本醸造 | 60 | 16 | 2,100 |
○ | 竹生嶋 本醸造原酒 | 吉田酒造 | 本醸造原酒 | 65 | 17 | 2,310 |
○ | 特別本醸造 浅茅生 | 平井酒店 | 特別本醸造 | 60 | 15 | 2,400 |
○ | 薄桜 特別本醸造 | 増本酒造 | 特別本醸造 | 60 | 15 | 2,030 |
○ | 美冨久 山廃本醸造 | 美冨久酒造 | 本醸造 | 60 | 15 | 2,100 |
○ | 笑四季 特醸造 | 笑四季酒造 | 普通酒 | 70 | 17 | 2,200 |
○ | 御代栄 高級仕込 | 北島酒造 | 普通酒 | 70 | 15 | 1,890 |
【ロ-純米酒の部】 | ||||||
○ | 2008(20BY)山廃 純米酒 | 松瀬酒造 | 純米酒 | 65 | 15 | 2,625 |
○ | 萩乃露 山廃仕込 芳弥 特別純米 | 福井弥平商店 | 特別純米 | 60 | 17 | 2,940 |
○ | 直汲 純米酒 | 藤本酒造 | 純米酒 | 55 | 18 | 3,360 |
○ | 一博 | 中澤酒造 | 純米生酒 | 60 | 16 | 2,300 |
○ | 近江藤兵衛 純米無濾過生原酒 | 増本酒造 | 純米酒 | 60 | 17 | 2,625 |
○ | 一雫一善 | 竹内酒造 | 純米 | 60 | 15 | 2,289 |
【ハ-吟醸酒の部】 | ||||||
○ | 大吟醸 技匠 | 太田酒造 | 大吟醸 | 40 | 16 | 5,250 |
☆ | 呵呵大笑 無ろ過 生原酒 | 笑四季酒造 | 大吟醸 | 45 | 17 | 25,000 |
○ | 七本鎗 大吟醸 斗瓶取り | 冨田酒造 | 大吟醸 | 40 | 16 | 10,500 |
○ | 喜楽長 大吟醸 能登杜氏芸 | 喜多酒造 | 大吟醸 | 40 | 17 | 5,500 |
【ニ-純米吟醸酒の部】 | ||||||
○ | 薄桜 純米吟醸 原酒 | 増本酒造 | 純米吟醸 | 50 | 17 | 3,360 |
○ | 美冨久 純吟極醸 | 美冨久酒造 | 純米大吟醸 | 45 | 16 | 7,350 |
○ | メゾン・ド・カナコ 2 2009年 | 笑四季酒造 | 純米吟醸 | 60 | 17 | 720ml 2,500 |
○ | 亀亀覇 純米大吟醸 皇(すめらぎ) | 上原酒造 | 純米大吟醸 | 50 | 17 | 6,120 |
○ | 喜楽長 純米大吟醸 能登杜氏芸 | 喜多酒造 | 純米大吟醸 | 40 | 17 | 6,300 |
○ | 純米大吟醸 みやの四季 | 藤本酒造 | 純米大吟醸 | 40 | 16 | 6,300 |
alc=アルコール度数(%)
希望小売価格の単位は円 価格については、特に注記がない場合、一升瓶(1800ml)のものです。
蔵元の会社名は一部省略した表記をしております。
価格、商品などは評価時のものです。現在は変更になったり終売になっている場合があります。
『みんなで選ぶ滋賀の地酒会』総評
第3回「滋賀地酒の祭典」の第一部「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」のきき酒は9月27日「大津プリンスホテル」において開催され、滋賀の清酒製造場から110点について、県内から応募いただいた198名の方々(サポーター)に評価をお願いしました。
清酒の香味は製造方法により特徴付けられることから、出品酒を純米吟醸酒、吟醸酒、純米酒、普通酒の4部門に分けてきき酒をし、点数はそれぞれ34点、30点、20点、26点でした。評価は、「とても美味しい」・「美味しい」・「普通」・「あまり好みでない」の4段階とし、それぞれに1点から4点を割り振って、それらの点数を集計して評価結果としました。
清酒の味わいの特徴は酒造家の品質設計に基づいた製造流儀に大きく左右されますので、原料米、水、気候を共有している部分が多いのに、滋賀の地酒の多彩さをサポーターの方々は感じとられておりました。出品酒の全体的な傾向として昨年は原料米が硬質であったのと異なり今年は軟質であったため、味わい深い清酒が多かったように感じました。
きき酒の結果ですが、サポーターの方々の好みの広がりと出品酒の多彩さのため評価は幅広に分布、ぼぼ美味しいを中心に分布しており滋賀の地酒が評価された結果でした。そして各部門とも甘めの清酒の評価が高かったように見えました。純米吟醸酒は味わいの深いもの、吟醸酒は香気が高く味がきれいで香味の調和が取れているものが高い評価を受けていました。純米酒と普通酒は製造場の特性が現れており、評価に広がりが認められました。
このきき酒会の評価を参考に皆様の好みと比較しながら味わっていただけたらと思います。
滋賀県酒造組合 技術顧問(元国税局鑑定官室長) 小幡 孝之