第10回「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」の集計結果について

開催報告

平成28年9月4日 14:30~16:30
於 びわ湖大津プリンスホテル
【主催】 滋賀県酒造組合 地酒の祭典実行委員会
【出品総数】

4部門 計 96点 イ 普通酒の部……25点
口 純米酒の部……28点
ハ 吟醸酒の部……18点
二 純米吟醸の部…25点

【モニター代表】小幡 孝之(滋賀県酒造組合技術顧問)
【モニター総数】200名
【きき酒方法と結果】
 ブラインドによる3点法。(ラベル等が見えないように、銀色の袋でかぶせてあります。)「とても美味しい」、「美味しい」、「あまり好みでない」の三択。

【授賞方法】
 各部門の上位好感度酒に「びわ湖賞」、総合1位の人気酒に「知事賞」を授与。

知事賞

富士山松瀬酒造株式会社(純米大吟醸 渡船)

受賞酒一覧

pdf-icon>>>PDFファイルでご覧下さい。(0.971MB)

講評

   第10回「滋賀地酒の祭典」の第1部「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」のきき酒会は9月4日びわ湖大津プリンス  ホテル において開催し、滋賀県の清酒製造場から出品された96点について、応募いただいた200名の方々 (サポーター)に  評価をお願いしました。清酒の香味は製造方法により特徴づけられる比率が高いことから、きき酒をしやすいように出品酒を純米吟醸酒、吟醸酒、純米酒、普通酒の4部門に分けて行い、出品点数はそ  れぞれ25点、18点、28点、25点となり、前年純米酒が増加していました。きき酒評価は「とても美味しい」「美味しい」・「ふつう」としそれぞれに1点から3点を割り振って、それらの点数を合計して評価結果としました。  前年の評価方法の4点法から評価区分がより明確になるのではと考え3点法に変更しました。

 清酒の味わいの特徴は酒造家個々の品質設計に基づいた製造流儀にも左右されますので、原料米、水、気候で共有 している部分が多いのに、滋賀の地酒の味わいが多彩であることを今年もサポーターの方々は実感されていました。 今年度の酒造は好適米を始め原料米は溶け易い傾向にあった一方、酒造期を通して寒暖の差があり作り難い環境に ありました。こうした年は原料米の浸漬や蒸しの工程そして、もろみ管理や麹作りに高度な技術が求められますが、適切な対応ができたことにより穏やかな香りで味わい深いそしてやや甘めの清酒が多かったようです。

 きき酒の結果ですが、最も高い評価を受けたのは今年も純米吟醸酒で県知事賞が授与されました。全体として サポーターの方々の好みに巾があり、かつ出品酒の多彩さのため評価点にややバラツキが見られましたが 美味しいの評価点2点を中心に分布しており滋賀の地酒が評価された結果でした。部門別では原料米の精白度の高さ を反映して純米吟醸酒の平均点が最も高く評価され、次いで吟醸酒でした。そして純米吟醸酒では華やかさがあるものの落ち着いた香りで味のキメの細かいもの、吟醸酒は香りが高く味がきれいで香味の調和のとれているものが高い 評価を受けていました。純米酒と普通酒は製造場の個性が表れており、個々の評価に広がりが認められました。 

 このきき酒会の評価を参考に皆様の好みと比較しながら味わっていただけたらと思います。 

滋賀県酒造組合顧問 元国税局鑑定官室長  小幡孝之