「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」の集計結果について
「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」は公募した一般モニター138人により2007年10月7日、「コラボしが21」にて実施しました。
きき酒は銘柄ラベル等を公表せず、ブラインドで実施しました。
きき酒の評価は、お酒の評価の優劣ではなく、好みをお聞きしました。
具体的には、きき酒をし、「とても美味しい・美味しい・ふつう・あまり好みでない」から該当するコメントを選択していただきました。
モニターの皆さんにいただいた意見を集計し、全出品酒の中で総合平均点が一番のお酒が「知事賞」、各部門で平均点が上位20%であったお酒が「びわ湖賞」です。
本リストの中では、☆=知事賞 ○=びわ湖賞の該当酒です。
知事賞
「薄桜・純米吟醸原酒」(増本酒造場)
受賞酒一覧
部門ごとに上位にランクインした、評価の高い出品酒。 自信をもってお薦めできるお酒です。
【イ-普通酒の部】 | ||||||
賞 | 銘柄 | 会社名 | 種類 | 精米 歩合 |
alc | 希望 小売価格 |
○ | 萩乃露 | 福井弥平商店 | 特別本醸造 | 65 | 15 | 2,273 |
○ | 出世誉 | 西澤藤平 | 普通酒 | 1,600 | ||
○ | 薄桜 本醸造原酒 | 増本酒造場 | 本醸造 | 60 | 18 | 2,400 |
○ | 松の司 本仕込 | 松瀬酒造 | 本醸造 | 65 | 15 | 1,835 |
○ | 上撰喜楽長 | 喜多酒造 | 普通酒 | 70 | 15 | 1,888 |
○ | 日の出松 | 松岡酒造 | 普通酒 | 70 | 15 | 1,830 |
○ | 御代栄 高級仕込 | 北島酒造 | 普通酒 | 65 | 15 | 1,890 |
○ | 富鶴 | 愛知酒造 | 本醸造 | 60 | 15 | 2,100 |
○ | 鈴正宗 | 矢尾酒造 | 普通酒 | 68 | 15 | 1,890 |
【ハ-純米酒の部】 | ||||||
○ | 大治郎 純米 | 畑酒造 | 純米酒 | 60 | 17 | 2,310 |
○ | 喜楽長 特別純米 | 喜多酒造 | 特別純米 | 60 | 15 | 2,415 |
○ | 香の泉 一雫一善特別純米 | 竹内酒造 | 特別純米 | 60 | 15 | 2,289 |
○ | 一博 純米 | 中澤酒造 | 純米酒 | 60 | 16 | 2,200 |
○ | 純米 浅芽生 | 平井商店 | 特別純米 | 60 | 15 | 2,243 |
○ | 薄桜 純米酒 | 増本酒造場 | 純米酒 | 60 | 15 | 2,340 |
【ロ-吟醸酒の 部】 | ||||||
○ | 志賀盛 大吟醸錦藍 | 近江酒造 | 大吟醸 | 40 | 16 | 6,300 |
○ | 美冨久 大吟極醸 | 美冨久酒造 | 大吟醸 | 45 | 16 | 5,250 |
○ | 萩乃露 大吟醸至福 | 福井弥平商店 | 大吟醸 | 35 | 17 | 10,500 |
○ | 大吟醸 御代栄 | 北島酒造 | 大吟醸 | 35 | 17 | 10,194 |
【ニ-純米吟醸酒の部】 | ||||||
○ | 猩々の舞 純米吟醸 | 音瀬酒造場 | 純米吟醸 | 50 | 16 | 4,200 |
○ | 喜楽長 能登杜氏芸純米大吟醸 | 喜多酒造 | 純米大吟醸 | 40 | 16 | 6,300 |
○ | 美冨久 純吟極醸 | 美冨久酒造 | 純米大吟醸 | 45 | 16 | 7,350 |
☆ | 薄桜・純米吟醸原酒 | 増本酒造場 | 純米吟醸 | 50 | 17 | 3,150 |
○ | 香の泉 唯醸 | 竹内酒造 | 純米大吟醸 | 40 | 16 | 5,250 |
alc=アルコール度数(%)
希望小売価格の単位は円 価格については、特に注記がない場合、一升瓶(1800ml)のものです。
蔵元の会社名は一部省略した表記をしております。
価格、商品などは評価時のものです。現在は変更になったり終売になっている場合があります。
『みんなで選ぶ滋賀の地酒会』総評
この度の「滋賀地酒の祭典」の第一部「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」のきき酒会は、10月7日、「コラボしが21」において開催されました。当日、滋賀県の清酒酒造場より、109点の市販酒が出品され、それらを県内から応募いただいた方を含め、138人の方々(サポーター)に評価いただきました。
清酒の香味の個性は製造方法によって特徴づけられることから、出品酒を純米吟醸酒、吟醸酒、純米酒、普通酒の4部門に区別してきき酒をいたしました。きき酒点数はそれぞれ24点、19点、27点、39点でした。評価は「とても美味しい」、「美味しい」、「普通」、「あまり好みでない」の4段階とし、それぞれに1点から4点を割り振って、それらの点数を集計して評価結果としました。
清酒の香味は原料米、水、気候、製造流儀によって醸し出されます。県内の地酒は全3者については共通していることが多いのですが、製造流儀が多様であることから多様な味わいの清酒が出品されていました。サポーターの方々はきき酒をする過程で滋賀の地酒の多彩さを感じられたようです。
評価の結果ですが、サポーターの方々の評価の力点の置き方の違いと個性ある出品酒の組み合わせのため、評価に広がりがみられましたが、ほぼ美味しいを中心に分布しており、滋賀の地酒が評価された結果でありました。純米吟醸酒、吟醸酒では高い製造技術がもたらす香気が高く味がまろやかで、かつ香味の調和している出品酒が多く、結果として高い評価に収斂していました。一方、純米酒と普通酒では製造場の特製が表れてきますので、評価に広がりが認められました。
多くの方々による評価は出品清酒の個性という特徴に関しては希釈される方向に動き、中間の評点に落ち着くようでした。
この度の評価を参考に是非とも皆様の好みと比較しながら賞味していただけたらと思います。
滋賀県酒造組合 技術顧問 小幡 孝之(元国税局鑑定官室長)