第4回「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」の集計結果について
「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」は公募した一般サポーター197人により2010年9月12日、「大津プリンスホテル」にて実施しました。
110点に及ぶきき酒は銘柄ラベル等を公表しない、ブラインド方式で実施しました。
きき酒の評価は、お酒の評価の優劣ではなく、好みをお聞きしました。
具体的には、きき酒をし、「とても美味しい・美味しい・ふつう・あまり好みでない」から該当するコメントを選択していただきました。
モニターの皆さんにいただいた意見を集計し、全出品酒の中で総合平均点が一番のお酒が「知事賞」、各部門で平均点が上位20%であったお酒が「びわ湖賞」 です。
本リストの中では、☆=知事賞 ○=びわ湖賞の該当酒です。
知事賞
竹内酒造「唯醸(ただかもす)」
受賞酒一覧
部門ごとに上位にランクインした、評価の高い出品酒。
自信をもってお薦めできるお酒です。
【イ-普通酒の部】 | ||||||
賞 | 銘柄 | 会社名 | 種類 | 精米 歩合 |
alc | 希望 小売価格 |
○ | 吟紋 竹生嶋 | 吉田酒造 | 普通酒 | 65 | 15.6 | 1,643 |
○ | 美冨久 山廃本醸造 | 美冨久酒造 | 本醸造 | 60 | 15.5 | 2,100 |
○ | 松の司 特別本醸造 | 松瀬酒造 | 特別本醸造 | 60 | 15-16 | 2,468 |
○ | 浅茅生 特別本醸造 | 平井商店 | 特別本醸造 | 60 | 15-16 | 2,400 |
○ | 一番しずく | 竹内酒造 | 本醸造 | 65 | 18.7 | 2,604 |
○ | 笑四季 特別醸造 山田錦×しゃくなげ酵母 | 笑四季酒造 | 普通酒 | 70 | 16-17 | 2,625 |
○ | 御代栄 高級仕込 | 北島酒造 | 普通酒 | 70 | 15 | 1,890 |
【ロ-純米酒の部】 | ||||||
○ | 特別純米 梅花泉 | 上原酒造 | 特別純米 | 60 | 17.6 | 2,790 |
○ | 多賀 秋の詩 | 多賀 | 純米 | 70 | 16 | 2,300 |
○ | 一博 純米 生酒 | 中澤酒造 | 純米 | 60 | 16.8 | 2,300 |
○ | 浪乃音 ええとこどり純米酒 (無濾過生原酒) |
波乃音酒造 | 純米 | 60 | 18-19 | 2,415 |
○ | 湖東富貴 オールド | 西勝酒造 | 純米貴醸酒 | 65 | 17.2 | 720ml 3,100 |
○ | 大治郎 純米 山廃 | 畑酒造 | 純米 | 60 | 17.5 | 2,730 |
○ | 松の司 山廃 純米酒 | 松瀬酒造 | 純米 | 65 | 15-16 | 2,625 |
【ハ-吟醸酒の部】 | ||||||
○ | 美冨久 大吟極醸 | 美冨久酒造 | 大吟醸 | 45 | 17.2 | 5,250 |
○ | 天醸 | 竹内酒造 | 大吟醸 | 40 | 16 | 4,200 |
○ | 多賀 大吟醸 | 多賀 | 大吟醸 | 35 | 17 | 6,000 |
○ | 大吟醸 御代栄 | 北島酒造 | 大吟醸 | 35 | 16 | 10,194 |
【ニ-純米吟醸酒の部】 | ||||||
○ | 不老泉 山廃仕込 純米大吟醸 木桶仕込 | 上原酒造 | 純米大吟醸 | 50 | 15.5 | 3,990 |
○ | 長寿金亀 藍40 生原酒 | 岡村本家 | 純米大吟醸 | 40 | 16 | 720ml 2,625 |
○ | 喜楽長 純米大吟醸 能登杜氏芸 | 喜多酒造 | 純米大吟醸 | 40 | 17 | 6,300 |
☆ | 唯醸(ただかもす) | 竹内酒造 | 純米大吟醸 | 40 | 16.7 | 5,250 |
○ | 神開 純米大吟醸 みやの四季 | 藤本酒造 | 純米大吟醸 | 40 | 16.5 | 6,300 |
alc=アルコール度数(%)
希望小売価格の単位は円 価格については、特に注記がない場合、一升瓶(1800ml)のものです。
蔵元の会社名は一部省略した表記をしております。
価格、商品などは評価時のものです。現在は変更になったり終売になっている場合があります。
『みんなで選ぶ滋賀の地酒会』総評
第4回「滋賀地酒の祭典」の第一部「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」のきき洒は9月12日「大津プリンスホテル」において開催され、滋賀の清酒製造場から出品された103点について、県内から応募いただいた197名の方々(サポーター)に評価をお願いしました。
清酒の香味は製造方法により特徴づけられることから、きき洒をしやすいように出品酒を純米吟醸酒・吟醸酒・純米酒・普通酒の4部門に分けて行い、点数はそれぞれ24点、17点、31点、31点でした。きき酒評価は「とても美味しい」・「美味しい」「ふつう」・「あまり好みでない」とし、それぞれに1点から4点を割り振って、それらの点数を集計して評価結果としました。
清酒の味わいの特徴は酒造家の品質設計に基づいた製造流儀に大きく左右されますので、原料米、水、気候を共有している部分が多いのに、滋賀の地酒が多彩であることをサポーターの方々は実感されたようでした。出品酒の全体的な傾向として今期は製造期間を通じて気候が不順で厳しい製造環境でしたが、その不利な条件を乗り越えて原料米が軟質であった性質を生かして、味わい深い清酒が多かったように感じました。
きき酒の結果ですが、サポーターの方々の好みの広がりと出品酒の多彩さのため評価は幅広に分布しましたが、ほぼ美味しいを中心にしており滋賀の地酒が評価された結果でした。そして各部門とも昨年同様に甘めの清酒の評価が高かったように見えました。純米吟醸酒は味わいの深いもの、吟醸酒は香気が高く味がきれいで香味の調和のとれているものが高い評価を受けていました。純米酒と普通酒は製造場の特性が現れており、評価に広がりが認められました。
このきき酒会の評価を参考に皆様の好みと比較しながら味わっていただけたらと思います。
滋賀県酒造組合 技術顧問(元国税局鑑定官室長) 小幡 孝之