第7回「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」の集計結果について
「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」は公募した一般モニター187人により2013年9月23日、「大津プリンスホテル」にて実施しました。 83点に及ぶきき酒は銘柄ラベル等を公表しない、ブラインド方式で実施しました。 きき酒の評価は、お酒の評価の優劣ではなく、好みをお聞きしました。 具体的には、きき酒をし、「とても美味しい・美味しい・ふつう・あまり好みでない」から該当するコメントを選択していただきました。 モニターの皆さんにいただいた意見を集計し、全出品酒の中で総合平均点が一番のお酒が「知事賞」、各部門で平均点が上位20%であったお酒が「びわ湖賞」 です。 本リストの中では、☆=知事賞 ○=びわ湖賞の該当酒です。
知事賞
多賀「大吟醸 多賀」
受賞酒一覧
部門ごとに上位にランクインした、評価の高い出品酒。 自信をもってお薦めできるお酒です。
【イ-普通酒の部】 | |||||||
賞 | № | 銘柄 | 会社名 | 種類 | 精米 歩合 | alc | 希望 小売価格 |
○ | 1 | 上撰 | 矢尾酒造 | 普通酒 | 70 | 15 | 1,890 |
○ | 8 | 薄桜 特別本醸造 | 増本酒造場 | 本醸造 | 60 | 15.8 | 2,030 |
○ | 19 | 萩の露 上撰 | 福井弥平商店 | 普通酒 | 70 | 15 | 1,888 |
○ | 20 | 玉栄70生原酒 | 岡村本家 | 普通酒 | 70 | 19 | 2,520 |
【ロ-純米酒の部】 | |||||||
○ | 3 | 純米酒 | 松瀬酒造 | 純米 | 65 | 15.6 | 2,468 |
○ | 8 | 純米酒 多賀 秋の詩 | 多賀 | 純米 | 70 | 16 | 2,300 |
○ | 12 | 契約篤農家米 特別純米酒 | 竹内酒造 | 特別純米 | 60 | 15.3 | 2,604 |
○ | 15 | 大治郎 純米 | 畑酒造 | 純米 | 65 | 17.5 | 2,415 |
○ | 22 | 北島 きもと雄町(生) | 北島酒造 | 純米 | 70 | 18 | 2,890 |
○ | 26 | 特別純米 生原酒 渡船 | 太田酒造 | 特別純米 | 60 | 17-18 | 2,730 |
【ハ-吟醸酒の部】 | |||||||
☆ | 2 | 大吟醸 多賀 | 多賀 | 大吟醸 | 35 | 16 | 5,000 |
○ | 6 | 喜楽長 能登杜氏芸 大吟醸 | 喜多酒造 | 大吟醸 | 40 | 17.5 | 5,500 |
○ | 8 | 金賞受賞酒 大吟醸極 | 美冨久酒造 | 大吟醸 | 45 | 17 | 6,300 |
○ | 15 | 天醸 | 竹内酒造 | 大吟醸 | 40 | 16.7 | 5,250 |
【ニ-純米吟醸酒の部】 | |||||||
○ | 2 | 純米大吟醸 みやの四季 | 藤本酒造 | 純米大吟醸 | 40 | 16.5 | 6,300 |
○ | 9 | 明尽 純米大吟醸 | 竹内酒造 | 純米大吟醸 | 40 | 16.5 | 4,200 |
○ | 12 | 純吟極醸 | 美冨久酒造 | 純米大吟醸 | 45 | 16 | 7,350 |
○ | 13 | 笑四季 純米大吟醸 | 笑四季酒造 | 純米吟醸 | 50 | 16 | 5,250 |
○ | 17 | 純米大吟醸 陶酔 | 松瀬酒造 | 純米大吟醸 | 45 | 16.5 | 5,250 |
alc=アルコール度数(%) 希望小売価格の単位は円 価格については、特に注記がない場合、一升瓶(1800ml)のものです。 蔵元の会社名は一部省略した表記をしております。 価格、商品などは評価時のものです。現在は変更になったり終売になっている場合があります。
『みんなで選ぶ滋賀の地酒会』総評
第7回「滋賀地酒の祭典」の第一部rみんなで選ぶ滋賀の地酒会」のきき酒は9月23日「大津プリンスホテル」において開催され、滋賀の清酒製造場から出品された85点について、県内外から応募いただいた187名の方々(サポーター)に評価をお願いしました。
清酒の香味は製造方法により特徴づけられることから、きき酒をしやすいように出品酒を純米吟醸酒・吟醸酒・純米酒・普通酒の4部門に分けて行い 点数はそれぞれ21点、16点、28点、20点でした。きき酒評価は「とても美味しい」「美味しい」「ふつう」「あまり好みでない」とし、それぞれに1点から4点を割り振って、それらの点数を集計して評価結果としました。
清酒の味わいの特徴は酒造家の品質設計に基づいた製造流儀に大きく左右されますので、原料米、水、気候を共有している部分が多いのに、滋賀の地酒が多彩であることをサポーターの方々は実感されたようでした。出品酒の全体的な傾向として酒造最盛期は寒冷な機構であったこと、原料米は前年よりはやや硬い傾向が見られましたが、こうした米質の情報は早い段階に行き届いていたためか適切な対応により、香味のバランスがとれた味わい深い清酒が多かったように感じられました。
きき酒の結果ですが、サポーターの方々の好みの広がりと出品酒の多彩さのため評価は幅広に分布しましたが、「美味しい」を中心にしており滋賀の地酒が評価された緒果てした。部門別ては原料米の高精白を反映して純米吟醸の平均点が最も高く、各部門とも味わいがあり後味のすっきりした清酒の評価が高かったように見えました。純米吟醸酒は落ち着いた香りで味のキメが細かいもの、吟醸酒は香りが高く味がきれいで香味の調和がとれているものが高い評価を受けていました。純米酒と普通酒は製造場の特性が現れており、評価に広がりが認められました。
このきき酒会の評価を参考に皆様の好みと比較しながら味わっていただけたらと思います。
滋賀県酒造組合 技術顧問(元国税局鑑定官室長) 小幡 孝之